説明イラストを使うメリットと注意点
説明をわかりやすくするために使いたいイラスト。
写真や言葉では表現できない説明イラストの長所は何でしょうか。イラストで得られるメリットと、イラストを使う際の注意点をご紹介します。
1.イラストは形のないものを表現できる
イラストは形のないものの表現ができます。商品・サービスの使用イメージなど、イラストのビジュアル表現があるとぐっと伝わりやすくなります。
人物の表情やオノマトペ、集中線などで雰囲気づくりも。
2.イラストはフローでわかりやすくなる
順番を視覚的に表すと、目で追いやすく親切な説明になります。
組み立て説明などイラストで表現されることが多いですね。
3.イラストは部分を強調できる
イラストはフォルムを省略したり強調したりすることで、どこを見てもらうか調整できます。
フルカラーにせず部分的な配色によって視線を制限したり。
4.イラストは表現方法の工夫ができる
生々しい表現をしたくないもの(体の構造や生ごみなど)をシンプルにしたり、比喩や擬人化で説明をユニークにすることができます。
深刻な内容を和らげたり、イラストのキャラクターによって物語性を感じてもらったり。
イラストを使う際の注意点
しかし、説明にイラストを添えることですべてがわかりやすくなるわけではありません。
実際の状況・雰囲気などを伝えたい時
イベントの様子を伝えたい、建物の内装の雰囲気を見せたい場合などは、写真の持つ情報量が優れています。
イラストも詳細なものが作成できますが、時間がかかる分、価格も高くなってしまいます。
部分を強調したい時や、状況の説明でなく与えるイメージにこだわりがある場合はイラストでの表現もおもしろいですね。
特定のイメージをつけたくない、または深く細かく説明したい時
イラストはイメージがしやすい半面、受け取り方が人によってばらつきがあります。特定のイメージをつけたくない、読み手の理解にゆだねたい場合イラストなどの視覚表現はしないほうが良いでしょう。
また、説明の専門性が高く厳密さが求められる場合もイラスト表現は避けた方が良いです。
場合によっては「情報ゴミ」に
イラストによる説明は目的を見失うと
・必要のない情報の視覚化
・イラストのタッチ・カラー・雰囲気が説明内容と合わず読み手が混乱する
・内容が間延びして、読み手を疲れさせてしまう
などに陥ります。
図や表などで無意味な装飾やイラストをチャートジャンク(図ゴミ)とよびますが、イラストの表現に関しても情報ゴミといえます。
まとめ
一番大切なことは説明の目的を忘れないことです。
情報発信のツールを作成していると、クリエイターも依頼者様も手元に意識が集中してしまいますが、「読み手にどんな情報を受け取ってもらうのが目的なのか」を忘れないことが重要です。
目的に向かった一本の綱から、手を放さないよう制作しなければなりませんね。
参考文献 ビジュアルストーリーテリング 浅野紀予 2013
描いて売り込め!ダン・ローム 2009
なるほどデザイン 筒井美希 2015